畏れを忘れない
- AYAKO TAKANO
- 2023年9月4日
- 読了時間: 2分
連続テレビ小説「らんまん」(107話)を見て、改めて思うことがありました。
本話では、大窪助教授が「古いんだよお前は」「地べた這(は)いずる植物学なんぞ終わったんだ」と万太郎に言い放ちます。万太郎は黙って聞いています。
そして、大窪助教授は非職されたことを話し学校を去ります。万太郎は、大窪が去った後、誰もいない廊下に立ち、腰を90度に折り曲げ「拝」をいたします。この拝礼の仕方は、神社で行う神様への拝礼と同じものでした。私は万太郎のこの拝礼に大変感銘を受けました。
人の心の有り様(ありよう)は、どんなに隠しても、どこかしらの言動に表れるものです。
私は、謙虚な心、感謝の心というものは、「畏れ」なくしては生まれないと思っています。古神道では、森羅万象に神が宿ると考え、人知の及ばぬ自然や神を畏れ、敬います。そこが源流となって、有り難いという気持ち、感謝の気持ち、謙虚な気持ちが生まれてきます。いきなり感謝の気持ちや謙虚な気持ちになれと言っても、どだい無理な話だと思います。
万太郎は、幼い頃より山に入り、自然の神秘に触れています。「畏れ」を知る心があるからこそ、「一生を捧げることで植物学に恩返しをしたい」と言えるのでしょう。
私には、その心の有り様が、大窪助教授への「拝礼」にも表れていたように思うのです。
人の心は弱いもので、自信がつくと畏れ知らずになります。そして、その瞬間に衰退へと歩み出すものです。今回の「らんまん」は、私に「畏れ」を抱くことの大事さを再確認させてくれました。







「畏れ」であって、感情的な「恐れ」でないところが深い
髙野先生はじめまして。まだまだ暑い日が続いていますが、わたしは羽田座夢衣(はだざ むい)と申します。少し涼しくなっていただけましたか? わたしも万太郎の深い畏敬の心に感銘を受けました。人の内面は言動に現れ、謙虚と感謝は大切な美徳だと思います。彼の自然とのつながり、古神道の教えから得た価値観は素晴らしいですね。このエピソードは、畏れを忘れず、謙虚で感謝の気持ちを大切にする大切さを再認識させてくれました。