未来にエールを贈る!
- AYAKO TAKANO
- 1月14日
- 読了時間: 2分
更新日:3月29日
「成人おめでとうございます!」
何度この言葉を口にしたことでしょうか。気がつけば、新成人のみなさんに着付けをさせていただくようになって、もう40年が過ぎました。
成人式は、人生において1度きりの尊いハレの日です。家庭によって形はさまざまでしょうが、誰もが祝福される特別な日です。私は、そのハレの日をきものの着付けを通してお祝いしてきました。成人式の日は、私にとっても、愛と感謝に心が満たされる特別な日となります。ですから、万が一にもインフルエンザなどにかからぬよう、体調管理には万全を期して当日を迎えます。
新成人には、大学生もいれば今年就職する方もいます。いずれにしろ、ほとんどこれから社会にデビューする方たちです。私は、きものを肩にかけながら、夢や希望について話を聞いたり、きつけに関するリクエストを聞いたりしています。
こうした会話をしていて、いつも思うことがあります。それは「人はみんな個性を持っている」ということです。当人は気づいていないようですが、彼女たちが持参したきものや帯は、不思議と彼女たちの個性にピタリと合っています。まるで、彼女たちの思いが、風合いやデザインに表れているかのようです。
私は、一人ひとりとお話をさせていただきながら、彼女たちの個性と、彼女たちの幸せを祈る人たちの思いと、大切なきものを調和させるように結んでいきます。
私は、20代の終わりの頃、地元新聞の「ひと・話題・ひと」というコーナーで取り上げていただいたことがあります。記事を見ると、「きものってすばらしい!」というタイトルで「和服、ってすばらしいと思うの。反物を織る人がいて、それに絵を描いて生命を吹き込む人がいて、そして着る人がいる。本当にすばらしい、って思う」と話しています。うれしいことに、記事を読んだ染め物作家さんから「感動しました」とお電話をいただいたことを覚えています。
きものは、ほかの衣類とは異なり、親から子へと大切に受け継がれていきます。きものには、制作に携わった職人たちの思い、そして受け継いできた人たちの愛情が込められているため、1枚1枚に物語があります。着付けは、きものが歩んできた物語に触れることだと思います。これから先、このきものはどんな物語を紡いでいくのだろうか。
新成人たちの未来は、無限の可能性(希望)や生きる喜び(夢)に満ちあふれています。私は、今年も、思いっきり手を振って「いってらっしゃい!」と新成人たちを送り出しました。
未来が、あなたらしい幸せな人生となりますように!

新成人のお二人が笑顔なのが伝わってきます☺